一つのことを極め抜く

田端和樹　

TabataKazuki

日本には千数百年に及ぶ絞り染めの伝統があります。その伝統技術は今も受け継がれ京都ならではの高度な技によって数々の作品が作り出されています。京都では平安時代から長い間、日本の政治と文化の中心地だったため、皇族や貴族たちが豪華な衣装を身にまとい、着物の文化が花開きました。絹織物や絹糸・木綿糸・麻糸の伝統的な原材料を使用し、絹に限った生地に京都で施した絞り製品の総称を「京鹿の子絞り」と呼ばれ1976年に国の伝統的工芸品に指定されました。ですが近年機械化の発展や海外からの輸入、後継者不足などにより絞りの技術は失われつつあります。技術を残すためにも絹製品だけに拘らず普段使いの多い木綿や麻やウールなど日常品にも絞り染めを施せるように素材が限定された名前ではなく「たばた絞り」として活動をはじめました。たばた絞りでは『新しい日本の伝統工芸』をコンセプトに、伝統的な素材や技法を積極的に用いながらも、現代のライフスタイルに寄り添うものづくりを展開。着物や洋服、日傘やスニーカーなど、多岐にわたるアイテムを製作・販売。

また、様々な分野の企業とのコラボレーションによって、絞り染めの可能性を広げています。